2017年4月8日(土)2時~
卑弥呼の里伝説、神功皇后伝説が、数十か所遺る風光明媚な、福岡県朝倉市美奈宜の杜、コミュニティー・センタ―にて、講演会とサイン会が行なわれた。
◆400年前、この朝倉市三奈木を、明治まで1万六千石で領していた黒田美作一成の実母・寶樹院様が、この「イソップ物語」の和訳と編纂に携わっていたことの発見、その根拠とする理由などの興味深い話が語られ、参加者の新しい発見ともなった。
―――『急ぎ御文参らせ候 寶樹院殿悲話哀話』あとがきより抜粋―――
10数年前、私は、主人の実家(福岡県朝倉市)の「平瀬(ひらせ)加藤家(かとうけ)文書(ぶんしょ)」(古文書)を読んだ時とても興味をそそられ、そこに書かれている400年前の先祖が流転した場所、人物を思い描くために、日本そして韓国までもの各地を、主人と共に訪れる旅をスタートした。その中から、生き生きと立ち現われてくる、約450年前に生まれた加藤家の先祖の、一人の女性と出逢っていた。
その女性は、現在は、博多・聖(しょう)福(ふく)寺(じ)内、節(せつ)信院(しんいん)に眠っている。節信院の裏庭に遺(のこ)る彼女の墓石と、一族が家紋(かもん)や幟(のぼり)、菩提寺の瓦紋などにしたと同じ、マリア・イエス紋が刻まれた大きな石の手水は、当時、彼女と一族がキリシタン信仰であったことを、物語っている。この女性こそ、『天草本・イソップ物語』の編纂(へんさん)に協力できた女性、その人ではないかと、直感したのである。それは、主人の先祖でもあったことに、不思議な出会いの縁を感じている。
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節信院マリア・イエス紋手水
博多御供所町
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黒田美作一成所蔵・清厳寺所蔵
家紋入りマリア・イエス紋聖杯箱 |
平瀬加藤家の幟
マリア・イエス紋・幟 |
◆かとうむつこのリサーチにより、400年後の今、上記の三家が兄弟姉妹、親子であったことが判明した。「講演会、サイン会」が行われる度に、かつての伊丹一族の系図を保有する方たちが集まり始めて、交流が始まっていることも不思議な出会いである。
◆大英博物館に明治の通訳者・アーネト佐藤によって寄贈され、世界に1冊だけ遺された貴重なキリシタン本、、。
宣教師が日本語を学ぶために、そして教えを広めるために、おじゃる言葉をラテン文字で表記した400年前の『ESOPONO FABVLAS』、、。
そのラテン文字を訳し、77枚のさし絵を描き、10年をかけてこの世に登場した『イソップ物語』の裏話、かわいらしさいっぱいの感動的物語が紹介された。
400年前の近畿地方のおじゃる言葉のイソップ物語の朗読は、温かく、心地よく、皆さんが興味深く耳を傾けた。
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